ADHDと自炊
ADHDと料理って相性悪いですよね。
まず何を作るかを考え、見通しを立てて、そしてじんわりと頭の中で効率の良い順序を組み立てて、それ通り実行する。
もちろん一つの加工をしている間に別のものも同時に加工することも多くあるので、マルチタスクの極みです。
野菜を切ることに熱中していたらフライパンで焼いているものを焦がしちゃった、というようなことはできるだけ避けなければなりません。
今何をしていて、どういう状態で、どの段階で、この次の工程は何で、同時に何をしているか、とてもパースペクティブに把握、処理する能力が求められると同時に指を嫌いないようになどこまかな箇所への集中も同時に求められます。
また、特に私が苦手なのは調理に使ったもの、食べたものの片付けです。散らかったものを散らかったままにしておいてしまうことがよくあります。
と、言いながらなんですが、私は最近料理にはまっています。
最近というのもここ数日ではなくこの一ヶ月間、ほぼ毎日一汁三菜、朝晩作り続けました。また、余裕があるときにはお弁当も作って大学へ通っていました。
というのも、私は昨年まで食堂で三食済ましていたのですが、今年度から食堂に行くことをやめたので、自炊せざるを得なくなってしまったのです。
ただ、お昼ご飯はお弁当をやり始めるまでは学食かおにぎりしか選択肢がなかったので三食全部というわけにはいかなかったですが。
では、ここからが情報です。
どのような工夫で自炊を可能にしているか、ということを説明します。
key wordは
・ゆっくりとステップアップ
・逃げれる道を作っておく。
・別の角度で楽しむ。
・人の力をかりる。
の四つです。
まずゆっくりとステップアップについて。
あなたが達成したい内容をLv.100だとしましょう。
では、それを4〜5つのステップに分けて考えてみましょう。
その時、クリアするべきハードルを一つづつ明確に考えました。
僕の場合達成したいステップはシンプルに自分で作って自分で食べるでした。
これを4つのステップに分けると
Lv.20はサトウのご飯を缶詰で食べる、
Lv.40はCook Doのようなもので作って、紙皿で食べる+ご飯を炊く
Lv.60はCook Doで作ってお皿で食べる
Lv.80はメインを一から作って、野菜など副菜はフジッコなどに頼る。
Lv.100は一汁三菜全てを自炊する(味噌汁以外)
まず最初のステップはとにかく家で食べ、机の上を片付ける、ということが目的のステップでした。
一切自炊らしくないかもしれないですが、とにかくこの段階から始めました。
机で食べて、そのゴミを捨てる。
そして曜日にはゴミを捨てれるか。
この辺りが僕にとっては不安だったので。
次のステップはCook Doです。
洗い物に関しては不安だったので、とにかくお皿を捨てるだけにしてその部分の不安を解消しようとしました。
ただ、フライパンをどうせ洗うのであまり変わらないかと思ってすぐに次のステップへ。
次はお皿洗いが出てきました。ただ、フライパンを洗うことは別に出来ていたので、そのついで、という感じでした。
お皿洗いを忘れてしまうという難しさもありましたが、寝る前に台所を確認して洗い物がないようにして寝るように心がけました。
この期間は1週間ほど続けました。
次はメインを作る工程です。
ここからは冷蔵庫の在庫管理という問題も出てきます。何が冷蔵庫にはあるか、何をいつまでに食べないとまずいかなどを頭のどこかで考えられることが望ましかったのでしたのですが、やっぱり少し難しいですね。
でも、メインだけなので野菜などがほとんどなく、肉や豆腐などの大きなものばかりなので割と管理がしやすかったです。
あと、残り物が出ないように、例えば四人前作って3つは冷凍するなどのようになるべく一回の料理で使い切るように工夫しました。
そして最後の段階です。完全な自炊。
何も頼らずにできる限りやろうと思って料理をしています。作り置きなども考えて、タッパーなども駆使しながら食べ物を作って食べています。
つぎのkey wordは逃げれる道です。
今の話とも関連するのですが、しんどかったり忙しかったり気分が乗らない時などは無理せず、前の段階へ躊躇なく戻ることです。
一つ前の段階に戻ることは当然必要なことで、毎日同じ体力やモチベーションがあるなんていうのはありえないわけなので、それに見合った行動、その範囲内で出来る行動をする必要があります。
なので、私は今でもフジッコのお豆さん、Cook Do、サトウのご飯と缶詰、などを準備していつでも一つ前のステップに戻れるようにしています。
そして、実際に頻繁に戻っています。
これは継続のためには本当に必要な心構えだな、と痛感しています。
次は、別の角で楽しむ、です。
別の角度、例えばお金、栄養、時間、味などです。
より安く料理を作ろう、
より栄養のあるように料理を作ろう、
より短い時間で料理ができないか、
より美味しく作れないか。
こういった、「料理を作る」こと自体の楽しみではない、別の角度からの楽しみを用意しておきます。言い換えるなら、ゲーム化するわけです。
すると、ゲームを続けるためには料理を作るわけで、結果として目的を達成できるのです。
また、ADHDの人は探求することが好きな人が多いと思うので、より探求するように繰り返しているといつのまにか料理が日常になっているのではないかと思います。
そして最後の「友人」です。
私は友人が週に一度私の料理を食べに遊びに来てくれます。
これが料理のモチベーションになっています。
また、友人が片付けを手伝ってくれたり、情報をくれたり、美味しいと言ってくれたりするので、やる気も継続する気も湧いてきます。
とにかく、自炊をするためには、高いハードルではなく、低いハードルで慣れることと頑張ったリアクションを他人から得ようとすることが大事なんじゃないかな、と思います。
マルチタスクについては、どうしようもないのでがんばるしかないです。
僕はコンロが一つしかないので、料理するには不便ですがマルチタスク的には良かったかな、とも思っています。